4月に2016年の大統領選の民主党候補者指名を獲得するための予備選に出馬すると表明したサンダース上院議員の支持率がバイデン副大統領をわずかに抜いて11.7パーセントの二位に上昇している。
この結果に俄然注目も集まっており、絶版になっている回顧録がアマゾンで高値で取引されたり、関連書籍が相次いで出版されたり、ちょっとしたブームの兆しを見せはじめている。
トップを独走するヒラリー・クリントン元国務長官との差は大きいが、仮に二位に終わっても、サンダース上院議員の健闘はアメリカ政界に極めて大きなインパクトをもたらし得る。
バーニー・サンダース上院議員は、ヴァーモント州選出の、アメリカでは珍しい無所属の上院議員である。
現在73歳。ポーランド系ユダヤ人移民の子どもとして、ニューヨークに生まれ、左派的な実験コミュニティとしての色彩が強かったイスラエルのキブツで過ごしたこともある。
そして、もっとも重要なことは、彼が「アメリカ憲政史上初の、社会主義者上院議員」を名乗っていることである(下院は過去何人か例がある)。
したがって、盛り上がるオキュパイ運動などからは、彼がもっともそうした若者たちに近い政治的立場を保っている現職上院議員であるとみなされることもある。
ヴァーモント州は伝統的には共和党が強い州だが、比較的中道寄りの色彩が強く、ブッシュ(Jr.)政権以降の右傾化した共和党には批判的な有権者が多い。
また、比較的裕福な地域で、利権団体も強くないため、ブッシュ政権批判の波に乗って無所属の「サンダース上院議員」を誕生させた。
所得の再分配や環境保護などで左派色の強い政策を主張してきたサンダース議員が健闘すれば、アメリカの主流政治家も、そういった政策に目を向けざるを得なくなるかもしれない。
少なくとも、二位につけているサンダース議員を、討論会から外すということは不可能である以上、一般のアメリカ市民がそういった主張の存在に触れ、審判を下す機会が得られるというだけで、極めて大きな変化と言えるだろう。
前回、緑の党から出馬したジル・ステイン医師も、今回も緑の党を代表して大統領選に出馬することを表明している。
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