アメリカの著名な科学雑誌であるサイエンティフィック・アメリカン誌に「証拠(ファクト)を用いた説得に失敗したときに、相手を何が説得できるか?」と題する記事が掲載されている。
いかに人々が「ファクト・ベースの」説得では説得されないか(例えば、イラクのフセイン政権は大量破壊兵器を実は保持していなかったという「ファクト」はブッシュ政権を支持した人々を納得させないか)という調査が示されている。
ただ、「証拠(ファクト)」が失敗したあとの方法論については、筆者の「経験によれば」という記事になっており、若干残念感が否めない。
ただ、その「経験」自体はある程度同意できる者なので、その結論だけここに訳出しておく。
議論のたたき台としても適当なのではないだろうか。
1. 情報交換で感情的にならないようにしよう
2. 攻撃にならずに、討議になるようにしよう(人身攻撃でなく、ヒトラー視するのでもなく)
3. 注意深く相手の主張を聞き、正確にその主張を言語化してみよう
4. 敬意を持って
5. 誰かがなぜそのような意見を持っているのかについて、あなたがどう考えているか認識しよう
6. 事実認識を変えることが世界観を変えることではない、ということが伝えられるように試みようこれらの戦略が人々のマインドを変えることに常に成功するというわけではない。
しかし、この国がポリティカル・ファクト・チェックの絞り上げに疲れている現在、不必要な分断を軽減するのには役立つかもしれない。