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2017年5月29日月曜日

国連事務総長と安倍首相の会談に関する「誤報」について

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 産経新聞が、イタリアにおけるG7サミットに関して"国連事務総長が慰安婦の日韓合意に「賛意」「歓迎」 テロ等準備罪法案批判「国連の総意ではない」”という記事を配信している。
 要するに、韓国との「慰安婦問題」合意や共謀罪に対して国連において人権上の懸念が議論されていることに対して、それらの疑念を呈している機関が例外的な対応をしているだけだと主張したいらしい。


 それに対して、国連事務総長のサイトに「記者へのノート: 事務総長と日本の安部首相とのミーティングに関する質問への応答として」という記事が上がっている。
 この日本での報道が事務総長の意図を(読解力不足ゆえか、意図的かはともかく)捻じ曲げているということに懸念を表明しているものと言える。
 たいして長くもないので、以下に全文を翻訳しておく(国際政治上の定訳とかに詳しいわけではないので、間違いがあればご指摘いただきたい)。

記者へのノート: 事務総長と日本の安倍首相とのミーティングに関する質問への応答として

事務総長と日本の安倍首相とのミーティングに関する質問への応答として、報道官は以下のように述べた。


 シチリアでの会見において、事務総長と安部首相は所謂「慰安婦」の問題について議論した。事務総長はこの問題が日本と大韓民国の間の協定(an agreement)で解決される問題であるということに合意した。事務総長はいかなる特定の協定の内容についても彼自身の判断を下したものではなく、問題の本質と解決の内容を決定するのは二国間に任されているという原則を述べたものである。


 特別調査者に関して事務総長は首相に、特別調査者は独立した専門家であり、人権理事会に直接報告する、と述べた。


  こんなニュースは海外のメディアは追わないだろうし、産経新聞としては言ったもん勝ちだと判断したのかもしれない。
 典型的な「ポスト真実」手法というべきであろう。
 もちろん、こう言った形で日本のメディアしか見ていない人々をグローバルな文脈から切り離し、「わが国が正しい」という情報だけを与えるというのは、いかなる意味でも好ましくない。

2015年7月20日月曜日

短期的な軍備増強より、恒久的和のための無数のステップを着実に

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恒久平和ないし永遠平和についての議論で、我々はカントに多くを負っている。
 カントは「恒久平和は、空虚な理念ではなく、漸進的に解決されて目標に絶えず接近していく課題である」と考えていた。
 カントの議論から二百年以上を経て、我々はこの問題に関して、たいした進歩があるように見えないかもしれない。
 しかしながら、議論は着実に重ねられており、それなりの進歩も重ねられている。
 例えば第二次世界大戦の処理はそれまでの帝国主義戦争の処理の「失敗」を反映したものだし、世界人権宣言はそこで求められたものの多くを反映している。
 また、近年では1998年の国際刑事裁判所の設置があげられるであろう。

近隣諸国の脅威に対応した軍拡は、いわば対処療法のようなものである。
 軍拡には、相手も軍拡を持って応じるのであり、両国の軍拡はとどまるところを知らないであろう。
 こういった、ポジティヴ・フィードバックのシステムを、文化人類学者グレゴリー・ベイトソンは「中毒」と呼んだ。
 軍拡は、文明の生む典型的な中毒症状である。