Mad Cow Disease Blights Human Rights Festival より、パレスティナをめぐるドキュメンタリー映画の紹介。
 パレスティナのマルチメディア・アーティスト、アマール・ショマリ氏らによる映画。1980年代のインティファーダの最中に起こった実話を、当事者へのインタビューとモノクロのストップモーション・アニメで再現している。
 イスラエルに支配される  Beit Sahour 村の人々は、非暴力抵抗運動としてイスラエル産のミルクをボイコットすることを思いつく。そこで、ちかくの平和運動家が住んでいるキブツ(ユダヤ人の集団農場)から18頭のウシを手にいれる。
 しかし、イスラエル軍はこのウシたちを「イスラエル国家のセキュリティ上の脅威」と宣言したため、村人とイスラエル軍の、ウシをめぐる駆け引きが開始される。
 …現在でも、パレスティナでは多数の「セキュリティ上の脅威」が存在する。
 たとえば、(ユダヤ系住民が普通に使える)4G携帯を使うことや、井戸を掘ることである。
 そして、"THE WANTED 18" はニューヨークの人権映画祭に出品されることになったが、皮肉なことにショマリ監督も「セキュリティ上の脅威」として出国を許可されなかった。
 ショマリ監督はなんとかアメリカのヴィザを得ようと、アンマン(ヨルダン)のアメリカ大使館に辿り着くが、そこでも「発給の機械は故障していた」らしい。
 暴力ではなく、自分たちで自分たちの食べるものを生産することが「セキュリティ上の脅威」になる事例として興味深い。
 日本でも公開されることを望みたい。
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